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東日本大震災に伴い全国に避難されている方々のための地域情報サイト

ブログ:近畿(福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

支援情報が届く「全国避難者情報システム」を活用しよう!

避難されているみなさんの自宅には、それぞれの受け入れ自治体から「支援情報」が毎月届けられているでしょうか?関西では、和歌山県、奈良県、滋賀県から毎月、京都府では毎月第二、第四週に。大阪府では大阪府下避難者支援団体等連絡協議会(ほっとねっとおおさか)から毎月10日前後に各市町村へ配送、各市町村から大阪府下の避難者のみなさんへ届けられます。この配布に使われているのが「全国避難者情報システム」です。
※総務省:全国避難者情報システムシステムについての説明

避難者支援情報をお求めの方は「全国避難者情報システム」に登録を

20年前の阪神淡路大震災後に県外避難した兵庫県被災者に支援情報が届かず、避難者は復興の道のりから置き去りにされていきました。正確な県外避難者数は、今もわからないままです。

その失敗を繰り返さないために総務省が東日本大震災後、導入したのが「全国避難者情報システム」です。関西ではシステムの登録は、主に住宅支援を申請するときに受け入れ自治体から説明されていました。しかし自主的に民間賃貸住宅に避難した人は登録の機会を与えられないまま避難生活に突入することになります。それは支援のつながりを作れないまま避難生活がスタートすることになり、避難生活の孤立化へとつながっていきます。今も「初めて支援が関西にある事を知った!」と支援情報を受け取ってびっくりされる人にお目にかかります。また、マスメディアや被災県が「避難者数」と発表する際に、この「全国避難者情報システム」の「避難者数」が使われています。避難者数は毎月更新され、復興庁のWEBサイトで閲覧が可能です。
復興庁:全国の避難者等の数(所在都道府県別・所在施設別の数)

しかし、システムを知らない人も多いため、東日本大震災の県外避難者数は、実際と大きく違っている事が課題になっています。ある日の関西の交流会では参加者全員が登録していませんでした。存在そのものを知らない人が今も数多くいるのです。

避難者支援情報が届かない方は

私たちは、インターネット、スマートフォン、テレビ、ラジオといつも無料の情報に囲まれているという漠然とした安心感を持っています。しかし避難者支援情報を受け取ること、届けることは、実際にはとても難しいのです。

避難者がシステムへ登録のためには、避難者自らが避難先市町村へ向かい、窓口で登録用紙に記入しなければなりません。また、窓口が統一されていないので、府県の市町村によって窓口は様々です。受け入れている関西の自治体の担当課以外の担当者が知らない事もありますが、担当課の担当者もシステムそのものを知らないこともあります。登録まで数時間、数日かかることも。また、登録先で登録したはずでも、各自治体でシステムやリストを更新せず、避難者へ支援情報が届かないこともたびたび起きています。市区町村の担当者がシステムの用紙を倉庫に眠らせていたケースや、本人の同意なく、引っ越し後は配送を打ち切っていたケースもあり、情報が届かず困惑しているという声は途切れる事がありません。

「全国避難者情報システム」に登録するメリットは?

システムに登録すると、毎月、受け入れた関西の自治体から「支援情報」の定期便が届くようになります。市民団体や専門家等が、毎月の支援イベントや、生活や暮らしの相談会、交流会の案内を受け入れ自治体に届けています。その支援の案内や、被災県からの新たな支援策も届くようになります。システムに登録しておくことで、サポート情報を受け取ることが出来るのです。システムの個人情報は各自治体が保管しています。


【夏に大阪駅前で行われた避難者相談会では、福島県と関西広域避難者支援センターがシステムの説明や登録を行っている。】


【総務省が震災後に配布していたポスター】


【全国避難者情報システム用紙】

福島への「ふるさと交流会」を西日本の支援団体が実施

今年の夏、京都府の「みんなの手」、滋賀県の「滋賀県内避難者の会」、愛媛県の「NPO法人えひめ311」、沖縄県の「沖縄じゃんがら会」、岡山県の「ほっと岡山」、大阪府の「まるっと西日本」らが福島県で県外避難者を対象にしたふるさと交流会を開催しました。交流会は郡山市と福島市といわき市などの都市で複数回行われ、西日本に避難している350人近い福島県の避難者がこの夏ふるさとへ帰省し、同郷の県外避難者たちや現地へ帰還した人たちと交流しました。9月のシルバーウィークには京都府の「NPO法人 和(Nagomi)」主催の「ふるさと交流会」が郡山市で行われました。

各団体の参加者の募集は7月から9月の間に行われました。申請応募理由には「もう何年も福島へ帰っていなかった。ふるさとへの移動の経済的な負担は大きいので嬉しい。」「家族親族ともう長い期間会っていない。」「お父さんは子どもに会うのが数えるほど。福島へ一時帰省したくても移動費がかかる。」「今後について家族と話し合う機会がなかったので助かる。」など、文面からは家族親族が分散しての避難生活での経済的な負担や心の負担を軽減するような支援策を求める様子が伺えます。終了後も、参加されていたほとんどの方から「これからも必ず続けて欲しい。」との感想をたくさんいただいきました。

各地の交流会では、現在の住まいや支援についての情報交換、同じ学校の出身者や昔の同僚との再会、帰還している人との交流もあり、交流会は同郷の人同士が集う場として会話がとぎれず、それぞれの団体の担当者は「この支援へのニーズが多かった。」「一人親家庭や母子避難者の生活困窮を軽減するための支援が必要。」「家族分離世帯の支援策として有効。」「経済的な理由でふるさとへ行きたくても行けない人が多いことがわかった。」「今後の事を家族で話し合えていない分離世帯にとっては、今後の事を決める場の提供が出来たようだ。」とコメントしています。

ひとたび避難すると、子育て中の家庭は、避難先で子育てを再スタート。子どもの入学卒業時にしか引っ越し出来なくなる傾向が強まります。また、就職先が決まると遠方への転居とともに転職活動を行う負担、引っ越し費用の負担や精神的な負担などで緊急避難先に長期的に避難し続け、緊急避難が長期避難へと変わっていきます。県外避難者の生活再建は、収入を得るための仕事と子育ての中で継続されるため、ふるさとを訪れる事や様々な手続きなど、ふるさとの様子を伺い知る交通費を捻出する事が、家庭内の経済負担のなかではどんどん後回しになっていきます。20年前の阪神・淡路大震災後も、今回と似たような支援策が行われています。兵庫県は各地に散らばった県外避難者への支援の仕組みとして、「ひょうごカムバックプラン」を実施。県外へ避難した人がふるさと兵庫の復興の下見や仕事探し、就職活動、手続きなどで、県内へ一時戻る宿泊施設を利用した場合の宿泊費の一部の補助が行われました。20年前の県外避難者の記録等には、県外に避難し、差別や周囲の無理解の中、避難先での暮らしや暮らしの復興のためにがむしゃらに仕事に追われ「戻りたくても戻れない」状況にあった兵庫の人たちの苦しさを文面から伺い知ることが出来ます。

震災がひとたび起きると、被災県は初めての県外避難者に対してどんな支援策が有効なのか?どんな支援が今求められているのか?を模索しながら県外避難者支援を行うことになります。「帰りたくても帰れない県外避難者」にはどんな支援策が必要なのか。避難されている方の希望やリクエストを、被災県に伝えることもまだまだ避難者にも支援者にも求められています。西日本の支援団体は今年の12月もふるさと交流会を行うため、今、連携して準備をすすめています。

「関西広域避難者支援センター」設立

今年6月、「関西広域避難者支援センター」が設立されました。事務所は大阪市内の大阪ボランティア協会にあります。

このセンターは、兵庫県の支援団体「三田を知る会」、大阪府の支援団体「NPO法人千里すまいを助けたい!」と「チームおせっかい」、奈良県の自助団体「奈良県被災者の会のまはら」、近畿の自助団体「まるっと西日本」の5つの団体で構成しています。5団体は、これまでそれぞれのエリアで学習支援、交流の場作り、住まいの相談、情報紙発行や情報配信、訪問、交流会開催などで関西の避難者へのサポートを継続してきました。今年は連携して、それぞれの得意分野を共有しながら、常設窓口でも暮らしの相談に応じます。

「福島県の支援策等については、福島県避難者支援課・生活拠点課や、『ふくしまの今とつながる相談室toiro』(TEL 024-573-2731)へ問い合わせ出来ますが、最近の相談は、ほとんどが今住んでいる場所での『暮らしの相談』です。震災と原発事故をきっかけにやむなく関西へ避難された方々の、関西での仕事、子育て、教育などの暮らしや住まいの相談にこそ、関西の私たちが応じることが出来ると思っています。住宅支援が終了した後の新たな住まい探しなどの相談も増えています。」と構成団体のみなさん。

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阪神・淡路大震災の被災者に「よろず相談」としてよりそい活動を続けたNPO法人「よろず相談」理事の牧秀一さんは、WEBサイトや今年3月に関西学院大学で行われたシンポジウムで、「復旧復興のなかで、『人の支援』は見落とされがち。私たちの『よろず相談』は、専門家による治療やサービスではありません。普通の人として『なんとなく、ずっとそばにいる』ことで心を開いた本音の会話を交わせる。見守りや寄り添いは、派手な支援イベントではないが、最後まで残る大切な活動。見守る方法は訪問や面会だけでなく手紙や電話でも出来る。」と、長期間見守り続ける支援の大切さを教えてくれました。

また、関西広域避難者支援センターには、阪神・淡路大震災で被災した経験を持ち、東日本大震災による避難者への支援活動を行っていた2名も、メンバーとしてかけつけました。

「私たちは完璧な専門家ではない関西の住民。でもみなさんのそばにいて一緒に考え、少しでも今の暮らしを改善できることを一緒に探す存在になりたい。関西広域避難者支援センターは、東日本大震災や原発事故による避難者に寄り添い、伴走する存在として、関西へ避難された方々の力になりたいと思います。」

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住宅支援終了前に準備!〜関西の住まいを考えるアドバイス

福島県は次の支援策を12月7日 福島県ふるさと住宅移転(引越し)補助金についてを発表しました。

関西2府4県では今も2,731人(復興庁発表)が避難生活を送っています。今年の秋に関西に避難されている全避難者のみなさんに関西の自治体を通じてご協力いただいた毎日新聞と関西学院大学災害復興制度研究所とまるっと西日本の共同アンケート調査では「今の公営住宅に住み続けたい」という回答が数多く記載されていました。住宅支援を受けている人にとって今後の住まいをどう考えていけばいいのか、関西の避難者に「住まいの相談」 サポートを実施しているNPO法人千里すまいを助けたい!(※)代表理事の片岡誠さんにお話をお聞きしました。

— 現在、みなし仮設として公営住宅などの住宅支援を受けている方は、今後どんな事に注意すればいいでしょうか。

片岡:今後も今の場所に住み続けたほうがいいのかどうかを、そろそろ 家族で話し合う事が大切です。

— 今後も府営・県営住宅で引き続きそこに住みたい場合は?

片岡:出来るだけ早く、府県、市町村の住宅担当のところへ行き「ここに住み続けるための必要な手続きについて」そろそろ確認したほうがいい時期にきていると思います。それによって、どんな準備が必要なのかを調べておきましょう。基本的には今住んでいる部屋を一般入居(住宅費がかかります)に切り替えてくれるかどうか?を聞いてみてください。新たに引っ越しする必要がなく家賃を安く抑えることが出来ます。関西は大阪の府営住宅など空いている公営住宅もありますから比較的実現しやすいのではないかと思います。関西では滋賀県高島市、大阪府吹田市、兵庫県明石市などの自治体が、一般入居に切り替えています。

— 支援者と住宅の相談をする際に調べておくことはありますか?

片岡:今、自分が借りている住宅がどのような形態で借りているのかどうか、市営・府県営住宅、借上げマンション、UR、雇用促進住宅などが特例入居、特定入居、災害救助法によるみなし仮設なのかなどを住宅の担当者に聞いて下さい。不安で待つよりも相談を。関西では私のところにもご相談いただければと思います。

— 大阪の公営住宅はどうでしょう?

片岡:大阪では泉北ニュータウンなど南部エリアに空きが多く、千里ニュータウンなど大阪北部はなかなか空き家がないのではないでしょうか。人気の市営住宅は何度応募してもむずかしいエリアも。府営・県営住宅は一年で3〜4回ほどの応募期間中に応募しなくてはなりませんから、いつでも入居できるわけではないので気を付けてください。

ポイント

  • 希望するエリアが人気の場所なのかどうか
  • 公営住宅がどれぐらいの確率で入居できるのかも住宅担当者に聞いて事前に調べる
  • 応募期間は前年度に数回行われる。当選率を聞いておく。

— 一般入居に切り替わったときに必要な入居要件がありますか?

片岡:保証人(大阪の府営住宅であれば被災県の家族でも可)、敷金3か月分ぐらい、住民票(自治体によっては住民票が不要)風呂釜がついていない部屋があり、入居者が購入かリースすることになっています。お住まいの公営住宅の担当者に相談してみてください。

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【「県外避難」の特集のためNHKの生放送に出演された片岡さん】

— 民間住宅に住み変えるのなら注意する点は?

更に家賃1/2〜1か月分の仲介手数料、引っ越し代、前払い家賃1か月分、礼金・敷金も含めて家賃によっても違いますが60万ぐらいの住居の費用の準備をしておくのがいいでしょう。住みたいエリアに前もって調査にいき、朝、夜と時間を変えて歩き、人通り、日当たり、 駅からの距離、買い物の便、バスや電車の運行状況、通学、通勤の上でどこの沿線が便利なのかを周囲の人に尋ね家族と相談して考えてください。不動産会社をいくつも見て歩き、値引き交渉をしましょう(※関西では家賃や不動産は掲載されている金額よりも値引きされる)。

— 引っ越しを考えて実際に引っ越すまで、どれぐらいの期間が必要ですか?

片岡:これまでの事例から、 相談から実際に引っ越すまで半年ぐらいかかっています。家族みんなの希望や交通の便を考えて最適の場所を選ぶ時間を選び、また引っ越しせずにすむように配慮を。希望のエリアで希望の家賃の部屋を探すのは時間がかかりますよ。

— 「これから関西に再避難したいが、関西の住宅事情は?」という問い合わせについて

片岡:これまでも一旦被災地から避難したが、避難先の土地に馴染めなかったり子どもの進学や親の仕事探しのために大阪に再避難を希望し、大阪の住宅事情を遠方から問い合わせてこられる避難者がいました。実際に大阪まで住宅探しに来られた避難者もいました。関西と一括りにできないのがそれぞれの地域の住宅事情です。公営住宅が多いのは大阪府です。京都府と兵庫県も多いですが、殆どが都市部。関西圏でも京都とそれ以外で契約条件が異なります。生活環境は、それぞれの府県の地域で随分違いがあります。大阪府内では、北部と南部で言葉遣いや隣近所との関係に違いがあります。これから関西に再避難を考えている避難者は、是非関西を訪問してから関西のどこに避難するのが良いかを確かめてください。

次の引っ越しは、前回のような緊急避難ではなく「子どもの成長、自分の就職、家族の将来の予定」を想定し、あわてずじっくりと時間をとって家族と相談をして探して下さい。

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(※)NPO法人 千里すまいを助けたい!
代表理事 片岡 誠
大阪府箕面市小野原西6-16-16
Tel. 06-6875-7459
Fax. 072-749-0070
E-mail: kattan@be.mbn.or.jp

「関西避難者の動向を支援団体で予想する!」連絡会議が奈良で開催

9月17日奈良NPOセンターが主催し、奈良県の支援団体と自助団体、関西の訪問プロジェクト参加団体(滋賀県内避難者の会、NPO法人 和(Nagomi)、奈良県被災者の会、まるっと西日本)奈良県、福島県避難者支援課など行政担当者、和歌山からは民生委員、大阪で活動するチームおせっかいも参加し今後の住宅支援終了後の関西の避難者の動向を予想する連絡会議が行われました。今年から毎月関西各地域の支援者が、各地域の支援について、連絡、報告の場を設けています。大阪、京都と続いて今月は奈良、来月は滋賀県での開催予定です。

避難者向け公営住宅支援が終了後の関西避難者の動き

2016年3月末で、宮城県の14の市町村、2017年の3月には福島県も公営住宅の無償での入居期限が終了します。9月に京都で行われた復興庁主催の「自主避難者向けの説明会、交流会」で関西学院大学災害復興制度研究所顧問の山中先生はこれまでの災害の研究結果から「被災地の高齢化は通常の5倍。子育て世帯が移動し、高齢者が帰還する傾向がある」と説明しています。関西の避難者も同様で、高齢者が帰還を望む傾向があり、子育て世代の大半は関西に残ることを希望される方が多いようです。

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京都
入居には所得や避難元などの制限がある京都府では現在の公営住宅から退去をしなくてはならない人も出てくる。京都府庁は、公営住宅に入居している避難者を訪問または 意向調査を行い、住宅についての期限や京都府の住宅支援について説明を行っている。
奈良
奈良県の条例の中に被災者が含まれている。災害救助法としての住宅ではなく被災地からの通知とも関係なくなっている。
滋賀

関西では受け入れ市町村自治体が避難者へ退去を求めるケースが後を絶たない。被災県の延長があったとしても住宅支援は関西の自治体の裁量に。

※毎日新聞 2013年12月11日「東日本大震災:被災者向け住宅、無償提供継続 滋賀・高島」

和歌山

世帯数は50世帯以下と少ないが、取り壊し予定の公営住宅への入居者もいて退去をしなければいけない人もいる。和歌山県には定住移住支援として他県からの移住者には200万前後の支援金がある。

移住・定住大作戦|田舎暮らし応援県わかやま

大阪

NPO法人千里すまいを助けたいは大阪の住宅探しの相談に応じている。「『困窮していて故郷へ戻れないことの具体的な理由と有償での入居』について住宅担当者に伝え、慌てて出ていかずに引っ越しを仕事や就学と関連させながらじっくりと考えて。引っ越しには生活の立て直しの費用がかかるため有償での公営住宅の入居も考慮して」と今年3月に行われた住宅相談会で理事の片岡さんがアドバイス。茨城などの住宅支援が途切れた方は有償での府営住宅の入居が継続。

NPO法人 千里すまいを助けたい

京都、和歌山
滋賀、兵庫
各県に定住移住支援策がある。岡山県が実施しているような移住者向けの支援は存在する。関西でも定住・移住策を行う自治体との連携が可能ではないかと具体的な定住・移住をサポートする相談会の催しなどの必要性も検討 。
宮城県からの避難者

来年の3月で宮城県からの住宅支援が特定の人をのぞいてほぼ終了、今年6月から宮城県大阪事務所で、支援員が電話での問い合わせに応じている。

宮城県大阪事務所 電話:06-6341-7905

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被災地へ戻った人からの再避難の相談

「帰還した人達から、また関西へ戻りたい」そんな相談が増えたという報告を行った支援団体もあります。理由は「復興に関する建設などの年間契約の仕事しか見つからない。」「学校、近所などから避難したことに対して中傷めいた嫌がらせを受けている。」「病院などが現実的に被災前より激減しており、生活できない。」関西へもう一度避難したいという相談が増え、支援団体の中でも「帰還」が必ずしもゴールではないことも改めて認識しました。

緊急避難から生活再建へ

前回、新潟で支援を行う FLIPの代表村上さんは「現状欠けている「定住支援」と一緒に民間支援のありかたもイベント・交流・物資提供等の支援から、「(帰還か定住かを問 わず)安定した生活を取り戻すための生活再建支援」にシフトしていく必要性」をこのブログで述べています。関西でも同様の事が言えます。これまでの緊急的な避難から生活再建は個々のレベルへと移り変わり、就労や就学を含めた住宅探し、子供の学校生活に伴う移動、一定期間の定住、関西以外への移住、帰還など様々な方向へと移動する春がやってくるでしょう。

災害復興住宅が建っても自殺が増加し続けた阪神淡路大震災などの事例から、決して復興住宅の完工が避難者の速やかな生活再建には結びつかないことを関西の支援者はよく理解しています。住宅支援が途切れると、有償での入居や復興住宅への入居ができない世帯が出てくるからです。その片鱗が最近の報道から知ることができます。

兵庫で「阪神・淡路大震災」の被災者支援を20年間継続している団体は「一人ひとりの寄り添い支援を行えば最後の一人にたどり着く」と言います。行政、民間、そしてボランティアと 定住、移住、帰還、自立のための生活再建支援、就労、住宅相談など様々なサポートが被災県と、受け入れ自治体と支援団体は同時に実施する必要性があり個々のニーズに応じた丁寧なサポートが今後はより一層求められています。

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4団体と専門家がチームで家庭訪問を一斉スタート。関西一円の避難者を対象に。

6月11日、大阪市の大阪ボランティア協会に関西で4つの避難者支援団体が第一回ミーティングと記者発表を行い「関西家庭訪問プロジェクト」を一斉スタートしました。実施するのは奈良県被災者の会、滋賀県内避難者の会、NPO法人和(Nagomi)、まるっと西日本の4団体。スーパーバイザーに産業カウンセラー協会関西支部、関西学院大学復興災害制度研究所、訪問には和歌山県の民生委員、東北、関東からの避難者も参加。4つの団体が連携をとりながら関西全域をカバー、交流会や避難者数の少ないエリアへも個別訪問を行い、相談や個別交流を行います。

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個別対応の支援のむずかしさ

関西では奈良県では2011年度から、大阪府、滋賀県でも希望者にはそれぞれの自助団体や支援団体、社会福祉協議会などが、独自に受け入れエリアでの個別訪問を実施。京都のNPO法人和、大阪のまるっと西日本でも深刻な相談には対面で情報提供や相談に応じていました。訪問後の避難者からの相談をどう解決していけばいいのか。専門家ともチームを組んで取り組む体勢づくりにも4つの団体は連携していくことの重要性を感じています。

これまで関西の「避難者への家庭訪問と個別支援」は、被災自治体や受け入れ自治体、各地の支援団体の有無、組織の規模や資金によって差があり、ピンポイントの支援でした。被災県の支援や、支援団体の有無、力量の格差により取り残される人もいます。これまでの避難者の相談ケースからは「受け入れ避難者数」が少ないエリアからの相談は「交流会がない」「相談する所がない」など孤立を訴える声があり「支援団体や自治体の支援格差によって支援から取り残される人をどう発掘すればいいのか。」が課題でした。

5年目に「訪問」を行う意義

復興庁の全国避難者情報システムによりますと関西には約3,000人の避難者がいます。しかし、交流会では「システム」について「全く知らない、登録していない、インターネットを見て交流会に初めて参加した。」という避難者が後を絶ちません。システムへの登録がなければ、関西で実施されている支援情報を伝えられず支援団体やほかの避難者ともつながりもないまま4年間を過ごしてきた人もいるのです。「支援の届いていない避難者がまだどこかにいる。」と支援団体は危機感を感じています。既に福島県、宮城県、岩手県から住宅支援の期限に関する発表があり、個別対応の相談の増加が見込まれます。支援団体は定住・移住・帰還相談に応じる体勢づくりや情報提供など丁寧な相談に応じる準備をすすめています。交流会は今も各地で行われていますが、交流会での個別の相談を打ち明けることのむずかしさから参加者は固定化しています。若い母親たちの多い交流会では男性、高齢者の参加もむずかしく、交流会などでつながりを得て関西に馴染む人と孤立する人の二極化がすすみました。うつ症状などの心の問題を抱える人も増えています。さらに被災県の住宅支援の終了時期が発表され、関西の支援団体は5年目をむかえ「個別対応の支援」の必要性を改めて感じています。

「どこへ避難しても支援を受ける事が出来るように」を合い言葉に4団体が助成の期間や資金、マンパワー、問題解決のためのノウハウ集の構築がスムーズな支援につながるようにと協力し合います。阪神淡路大震災や福知山脱線事故のリスクカウンセリングの経験を持つ専門家「産業カウンセラー協会関西支部」、阪神淡路大震災から「人間復興」を掲げる被災地に建つ関西学院大学災害復興制度研究所をアドバイザーに迎え、かつての被災地関西のノウハウを活かしたチームの結成にこの日会議室は熱気に包まれていました。

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避難された方との「交流」「情報提供」のための訪問は、ご家庭だけでなく、それぞれの団体の事務所や、最寄り駅の喫茶店などでも行います。お気軽に下記の宛先まで御連絡ください。

  • まるっと西日本(大阪、兵庫、和歌山担当):Tel. 080-4484-0298
  • NPO法人和(なごみ)(京都担当):Tel. 075-353-5181
  • 滋賀県内避難者の会(滋賀担当):Tel. 090-5154-0767
  • 奈良県被災者の会(奈良担当):Tel. 050-3636-7132

避難者つなげて、つながる 関西4団体、孤立防止へ戸別訪問 東日本大震災

避難者自らが取り組む関西の避難者支援

まるっと西日本です。
今回は関西各県で「避難者支援」に取り組む避難者の会をご紹介します。

奈良県の「奈良県被災者の会」(2012年3月発足)代表の高橋周介さんが避難先でボランティアの方の家庭訪問を受け訪問支援を手伝うようになり、避難者支援に乗り出しました。交流会の開催、情報紙の発行、家庭訪問などを実施。自然豊かな奈良での「農園交流会」も実施中です。奈良県では奈良NPOセンターを中心に奈良県の支援団体との連絡会議も開催されています。

滋賀県には「滋賀県内避難者の会」(代表 佐藤勝十志さん 副代表 高野正巳さん)が相談支援や交流会を開催しています。東日本大震災の経験をここ関西で役立てて欲しいと滋賀県内の避難者たちが自身の体験を語る場として、滋賀県庁との協同で防災イベントなども開催中です。

京都には「一般社団法人みんなの手」(2011年12月発足 代表 西山祐子さん)福島と京都と結ぶ「家族再会バス」をお盆と年末に運行。古い町家を改装した「みんなのカフェ」では東北の郷土料理を楽しむ地元京都の人の姿がみられます。そこには西山さんが望んだ京都の人と愛する故郷福島が「食」や「おしゃべり」を通じてつながり、解け合う空間がうまれています。

兵庫では4つの会が発足。「ひょうご ぷらっとホーム」(西宮市 代表 川田智子さん、鹿山真里さん)。三木市社会福祉協議会が運営をバックアップした「おひさまカフェ」(代表木幡智恵子さん)。避難移住者ネットワーク『こっからネット』(篠山市 代表 廣岡 和哉さん)、「べこっこMaMa」は地元神戸のNPO法人が運営や事務局をサポートし、「べこっこカフェ」の開催やべこ色のジャムの販売を行います。

他にもご紹介できなかった会もいくつもありますが、これらのグループは全て福島県出身の方が代表をつとめています。

2015年1月14日の毎日新聞は「阪神大震災:県外避難7割戻れず 避難先で永住を決意した人や死亡・行方不明など654世帯(67%)は戻れなかった。」と報じています。2015年4月から住宅支援が段階的に終了し、関西では住宅支援の対象者も変わっていきます。阪神淡路大震災の例を見ても一定期間の定住や移住を決意する人は今後、増加すると関西の支援団体は見つめています。

定住・移住支援にも窓口としての各県の避難者の会の継続が期待されていますが、スタッフの人材不足、運営の拠点作りなど支援活動と自身の生活再建を両立することが困難だと代表者たちは口を揃えていいます。

避難者が漂流しないための策は何なのか?当事者だからこその「支援」を生み出す各会は、その県に避難した避難者たちを支えています。しかし震災から5年目を迎えようとしている今、徐々に活動の縮小や休止せざるを得なくなっている会もあるのです。

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【奈良県被災者の会の交流会の風景】

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【べこっこMaMa が販売しているトマトジャム】

関西避難者支援のネットワークづくり

「まるっと西日本」は、東日本大震災によって関西圏に避難されてきた皆さんに、支援に関する「情報発信」を活動の中心とする避難者当事者の会です。現在まで関西圏の800を超える皆さんに携帯メールニュースを毎週発信し、そして関西2府4県の自治体のご協力のもと約2,000世帯の避難された皆さんに紙版の月刊ニュースを発行しています。

2014年度から地域の市民活動・ボランティア経験者なども事務局に携わるようになり、幅の広い活動への進展につながりました。大阪中央区大阪ボランティア協会に拠点を置き、関西の避難者に「支援情報を送り届ける」という活動を行ってきた経緯から、大阪の各団体との関係づくりに、この3年間、特に注力してきました。毎月支援活動を収集・確認の作業は、簡単そうに見えて結構骨の折れる作業です。

情報を避難者に送るため、情報の出元をきっちり確認する必要もあります。多くの避難された方々にメールニュースとして発信している性格上、信用が第一です。毎週、毎月、3年間地道に支援団体の皆さまから支援情報を収集し、関西に避難された皆さまに送り届けることで、まるっと西日本と支援団体との関係が強化され、避難者との信頼関係が少しずつ築かれてきたと感じています。
「まるっと西日本に紹介されていたから参加しました!」そのような避難者からの声を聞くたびに嬉しさと同時に責任の大きさも感じます。

私たちは、大阪の避難者支援ネットワーク「ホッとネット大阪」の世話人として、毎月の世話人会の出席と2ヶ月に一度の定例会の開催にも深く関わっています。今年度から「ホッとネット大阪」の体制も刷新され、世話人会の議論もアイデアも活発になり、これまで以上に充実した体制になってきました。引き続き交流会や支援活動が開催されていたり、新しく避難者の会が生まれたりと素晴らしいニュースもいっぱいです。

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2014年に入り、まるっと西日本の役割は拡大してきました。関西一円の支援団体との良好な関係、支援情報の発信を行ってきた経緯から、大阪・京都・兵庫のそれぞれの支援ネットワークの交流を促進させるといった役割です。これは大阪のネットワークが他府県のネットワークの取り組みを学ぼうという形で機会が生まれましたが、それらがうまく取り組めるようコーディネーションを担っています。情報発信の活動を通じて大阪だけでなく関西2府4県の支援活動、行政とつながり、より避難者支援の取り組みを充実させていきたいと思います。さらに、JCNのような全国ネットワークの仲間にも入れていただき、多くの皆さんと関係を深めることができました。このような交流の機会をいただくことにより、全国の支援団体、当事者の会と思いを一つにして「協働」した取り組みができていると感じます。

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今後取り組みたいことは、より多くの関西の皆さんに東日本大震災のこと、関西にも多くの方が避難されてきていることを、もっともっと知っていただきたいということです。関西の皆さんは震災についても気にしてくださっていることは確かです。ただ、どのようにアクションを起こせばいいか?ということについてはまだまだ呼びかけが必要だと思います。支援活動がこれから先細りとなっていくと予測されるなかで、その役割は重要になってくると感じます。関西の皆さんに、まだ東日本大震災は続いているということ、そして関西の人たちみんなでこの問題に取り組みませんか?と呼びかけることも頑張っていきたいと考えています。

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「まるっと西日本」の取り組みの紹介

こんにちは。「まるっと西日本」です。
今回はかつての被災地、ここ関西での県外避難者を「情報」で支援する、私たちの取り組みについてお伝えします。

まるっと西日本は2011年11月に県外避難者自助団体として大阪市内で発足。「まるっと」=「まるごと」つながって西日本から東日本大震災を支えよう。という意味で福島から避難した方から名づけられました。

2011年、市民は何とか避難者を支えようとお茶会、相談会など各地で始まりましたが、県外避者をスムーズに発掘できず参加者はどこも数名。一方、新聞をとっていない、PCを持たない避難者は支援があることすら知らず孤立していました。そして支援情報は自治体を含め、WEBサイトの下の階層の見つけにくい場所にありました。「県外避難者はどこにいるのか?」「どうやって関西の支援情報を(避難者は)知ればいいのか?」それは当時避難者でもあった代表世話人2人の悩みでもありました。

「情報支援」は、避難者の発掘とつながりのきっかけに。

関西の支援団体を訪問したり、電話やインターネットで集めた支援情報、支援者や避難者のインタビューなどを掲載し「週刊・支援情報メールニュース」として配信。(現在の読者は約800名)。情報をスピーディに届ける事で県外避難者の発掘を促し孤立を防ぐ事。支援者と避難者が関西でめぐりあえるように。メールニュースを毎週発行する時には、そんな願いがこめられています。

2013年には、ダイジェスト版A4モノクロ「支援情報紙」を発行。2014年はフルカラーA3版を、毎月2000部を印刷し、大阪、兵庫、京都へ、9月から和歌山と滋賀県にも、それぞれの都道府県自治体の協力を経て避難者のもとへ届けられます。配布には関西の自治体の協力が欠かせません。

メールニュースから生まれたものもあります。読者にはメディア関係者も多く、私たちのインタビュー記事をさらに取材して生まれた新聞記事、MBSラジオ(明日の防災を考える〜ネットワーク1.17)、NHK大阪(NHK第一放送)関西ラジオワイドの特集「県外避難のみなさんへ」(毎最終月曜5時台〜)ではメールニュースから支援情報のトピックスをオンエア。らじるらじるで全国どこでもNHK大阪の放送を聞く事ができます。番組と共同調査した「県外避難者の公営住宅期限調査」によってメディアと協力して県外避難者の「居住不安」を解消したとして居住福祉学会から学会賞(2014年度居住福祉賞)を受賞しました。メールニュースを発行することによって、避難者や支援者以外にもメディア、研究者、関西の市民へと、つながりの輪は広がっていきます。

目的は「支援情報」を「スピーディ」に避難者へ届ける事ですが、ゴールは読者がいなくなること。「もう支援情報はいらない」といって避難された読者のみなさんから必要とされなくなる日を目指してがんばります。

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取材時の様子

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支援情報誌配布の様子