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東日本大震災に伴い全国に避難されている方々のための地域情報サイト

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『おせっぺとみおか』の活動 ~1年の振り返りにかえて~

こんにちは。地域調整員、関東甲信地域担当の金子です。今回は、とみおか子ども未来ネットワークの活動の一つである『おせっぺとみおか』を通して、この1年を振り返ってみたいと思います。

『おせっぺとみおか』は、福島県富岡町で暮らしてきた一人ひとりの人生を書き起こすことで、富岡町の姿を記録していくプロジェクトです。富岡町で生まれ育った現在高校生から大学生の「聞き手」が「聞き書き」という手法を使って、富岡町でずっと暮らしてきた年長者である「話し手」に話を聞き、相手の言葉だけで文章をまとめ、ひとつの作品に仕上げていきます。

作品を作る過程で「聞き手」は、約2回、合計4時間以上のインタビューを行い、そのすべてを書き起こします。文字数は約3万〜6万文字。それをひとつの文章にまとめていくのは難しく、根気のいる作業です。相手が何を伝えたいのか、何を大切にしてきたのかを繰り返し考えながら進めていくため時間もかかります。しかし、ふとした瞬間、「この話し手は、こんな想いで、こんなことが言いたいのかな」と気づきます。時間をかけて取り組んできたことで、「聞き手」は「話し手」と同化するような感覚になるのだと思います。

この姿を見て、支援活動でよく言われる「寄り添う」とはどういうことかを、改めて考えさせられました。今年度、地域調整員として各地で行われた活動に参加し、この担当ブログでも、避難されている方たちに寄り添おうと活動する団体を中心に紹介してきました。避難が長期化し、個人個人の課題に取り組む必要があるいま、しっかりと時間をかけて避難されている方々に伴走する、寄り添い型の活動からしか見えてこないことが多いのではないかと感じます。

震災から6年、区域外避難者への住宅供与の終了や避難指示区域の一部解除等、避難されている方々を取りまく環境は大きな変化の時期にあります。いま、復興を考えていく中で大切なことは、避難されている方自身がこれからの選択を自分の考えで、自分で決めていくことができる環境があることだと思います。そのためにはただ単純に復興の加速をあおるのではなく、被災された方を想い、考え、寄り添う社会がなければならないと感じた1年でありました。

避難者と支援者による 2016 ふれあいフェスティバルに参加して

こんにちは。地域調整員、関東甲信地域担当の金子です。

今回は、東京都内に避難されている方々がつくるサロンや団体と支援者とが協力して開催した、「ふれあいフェスティバル」について書きたいと思います。

東京都内には避難されている方をサポートするネットワークとして広域避難者支援連絡会 in 東京(以下、連絡会)があります。連絡会では、参加団体のもつつながりや、活動の一つである広域避難者支援ミーティング等を通して、都内の避難当事者グループが広域でつながる機会を作ってきました。

今回、紹介する「ふれあいフェスティバル」は避難当事者グループが実行委員会をつくり、連絡会がサポートする形で行う大規模な広域交流会で、今年で2回目の開催となりました。

このイベントの特徴は、実行委員会に参加する避難当事者自身が、「孤立する人をつくらない」「なかなか表に出てこない方や、交流の機会がない方のために少しでも外に出る機会となれば」という想いから、多くの支援団体の協力を得ながら、企画、開催していることです。

震災から6年目となり、生活する基盤を移す方も増えてきている中で、これまで作り上げてきたつながりが途絶えることのないように、そして移った先の地域での新たなつながりをつくるために、今年度の「ふれあいフェスティバル」では、東京都内のみならず、関東各地の支援団体にも声をかけ、より広域からの参加者を募りました。

その結果、今年度は500名(支援者等含む)を超える方が参加し、避難先や避難元の地域を越えた交流が実現、大盛況となりました。当日は、避難された方が支援者と一緒にブースを出店したり、ステージで出し物をするなど、避難者と支援者の区別なく楽しむ場面もあり、参加者それぞれが、思い思いの時間を過ごしていました。

来年3月の自主避難者への住宅供与期間終了や、避難区域の一部解除など、避難されている方々を取り巻く環境は大きく変化していこうとしています。そのような状況だからこそ、多くの人が想いを共有できたり、ゆっくりと集まって話せたり、楽しめたりする機会が大切になってくると改めて感じました。

地域とつなぐ「ふくしまあじさい会」の活動

こんにちは。地域調整員、関東甲信地域担当の金子です。

震災から5年が過ぎて、関東地域では避難されている方々の住宅を求める動きが目立つようになってきました。避難されている方々にとって住宅の問題は大きく、平成29年3月末には、自主避難者への住宅供与期間が終了するなど、更に選択を迫られている状況になっています。これからの居住先を決める中で、それぞれの選択があると思いますが、避難先地域やこれから移り住む地域のコミュニティは大切なポイントになるのではないでしょうか。

今回ご紹介する「ふくしまあじさい会」は、栃木県下野市を中心に活動する避難当事者団体で、そういった地域のつながりを大切に活動する団体のひとつです。

9月18日(日)、ふくしまあじさい会のバーベキューに参加させていただきました。当日は、荒れ模様の天候でしたが、朝早くから会のみなさんが集まり、準備をし、また利用した施設のスタッフの皆さんにも協力いただきながら、小さい子から年配の方までが参加する笑い声の絶えない会となりました。

ふくしまあじさい会は、2011年6月に「あじさい会」として活動をスタートしました。避難者同士のつながりを求め、「福島」や「いわき」ナンバーの車を自転車で見付けて回った会の代表の苦労もあり、その想いに賛同した仲間が集まり、翌年6月に「ふくしまあじさい会」と名称を改めました。その頃より、月に1度の定例交流会を開催し、今では毎回40〜50名の方が集まるそうです。また、毎月独自に広報誌を発行し、下野市の協力により市内の避難世帯へ発送しています。現在、下野市には125人(平成28年8月30日現在)の方が避難していますが、その様な地道な活動によりほとんどの方を把握できています。

また、地域との交流も盛んで、福祉施設の田植えのお手伝いや地域のイベントでの出店、清掃活動等に参加し、代わりにイベントやお花見等のお誘いを受けるなど、その交流も定例化してきています。孤立してしまう人がでないよう、避難者同士のネットワークをつくり、避難先地域への感謝や地域に溶け込んでいけるような取組を続けてきているからこそ、避難者の集まりの場が減りつつある中、つながりを求めて、下野市内のみならず、周辺地域や県をまたいだ参加も増えてきているそうです。

ふくしまあじさい会は、毎月第2木曜日、下野市コミュニティセンター「友愛館」で定例交流会を開催しています。お近くにお住まいの方、また遠方からでも会の活動にご興味がありましたら、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。

『じしゅひなんママのきもちが奏でる〜ぽろろん♪〜』の活動

こんにちは。地域調整員の関東甲信地域を担当するとみおか子ども未来ネットワークの金子です。今回は、埼玉県内で活動する『じしゅひなんママのきもちが奏でる〜ぽろろん♪〜』の活動を紹介します。

7月24日(日)、川越のビアガーデンで行われた『ぽろろん♪』の暑気払いに参加させていただきました。この企画は、以前開催されたバーベキューの際に、普段はあまり参加しないお父さんたちの、「飲みながら話のできる場があったら嬉しいな」という声から実現したそうです。そんな経緯から開催された暑気払い。お父さんやお子さんたちも一緒に参加し、色々な話をしながら楽しい時間を過ごすことができました。

『ぽろろん♪』は、埼玉県内に避難している自主避難のお母さんたちと埼玉のお母さんたちで作った集まりです。この『ぽろろん♪』では、年2回の情報誌『「お手紙ですよ ぽろろん♪』の発行を中心に、メーリングリスト等による情報交換や、毎月11日に埼玉県各地で、お茶を飲みながらの交流会『ぽろろんの時間』を開きながら、同じ立場で生活するお母さんたちのつながりづくりをしています。

この会の参加者のほとんどが自主避難のお母さんたちです。来年3月には住宅供与期間が終了し、次の住宅を探さなければならない状況の方も多くいます。震災から5年が経過した現在まで、子どもたちの健やかな成長を願い、生活環境を整えようと懸命に過ごしてきていました。今生活する場所を離れること、住宅を移ることだけでも負担は小さくありません。これまで積み重ねてきた子どもたちの学校環境や人間関係。そういった生活する上で大切なものを、また一からつくらないといけない状況や、避難に関わる不安などは、どなたにとっても想像以上に大変なことです。

そんな状況があるからこそ、『ぽろろん♪』では、同じ想いで生活するお母さんたちを待っています。自主避難のお母さんたちにむけて「ひとりじゃないよ」と発信しつづけることで、ひとりでも多くの自主避難のお母さんたちと出会い、少しでも「つらいこと」「迷っていること」「悩んでいること」「これからのこと」 などを、気軽に話し合える場をつくっています。それは『お手紙ですよ、ぽろろん♪』や実際に開催されている交流会からも、あたたかいメッセージを感じることができます。普段は周りに気を遣っている方も、きっと同じ立場の方だからこそ話せることがあると思います。1人で悩まず、まずはぜひ1度『ぽろろん♪』の扉をあけてみてください。きっと温かい笑顔で迎えてくれますよ。

更に詳しい、『ぽろろん♪』の活動は、ホームページ上から『お手紙ですよ、ぽろろん♪』をご覧ください。

タウンミーティングの活動から

こんにちは。地域調整員・甲信地域を担当するとみおか子ども未来ネットワークの金子です。今回は、とみおか子ども未来ネットワークの活動の一つである「タウンミーティング」を通して見た、甲信地域の様子と連携についてのお話です。

とみおか子ども未来ネットワークは、子育て世代の父母が中心となってつくった、福島県の富岡町民による団体です。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の影響により全国47都道府県に避難している富岡町民をつなぎ、町民同士が互いを支え合えうる環境や、次世代につなぐ「新たな富岡町のかたち」を考えていくため、世代や地域を超えてさまざまな活動を行っています。その活動の一つが「タウンミーティング」です。

タウンミーティングは、全国に離ればなれになった富岡町民同士で「避難の事」「いまの事」そして「これからの事」などを語ることのできる対話の場として全国各地で開催しています。平成27年11月14日には、地域調整員の活動を通したつながりもあり、「東日本大震災・山梨県内避難者と支援者を結ぶ会(以下、結ぶ会)」の協力で、山梨県甲府市で「タウンミーティングin甲府」を開催しました。

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甲信地域に避難している富岡町民の数は多くありませんが、当日は山梨県内で避難生活をおくる富岡町民2世帯4名の方が参加されました。避難当初の様子から、町の復興状況や今後の生活がどうなっていくかなど、同じ町民同士だからこそ話すことのできる内容まで話はつづき、参加者からは、「今日参加して、話が出来て、少し胸のつかえがとれた感じだ」という感想もいただきました。

また今回、参加を楽しみにしていた方が急病のため参加できなかったことがわかり、翌日に直接会いに行くことにしました。そこでも、避難当初のご苦労や現在の状況、避難元が同じ町民同士の交流を求めていたことを聞き、気兼ねなく気持ちを吐き出せる環境づくりの必要性を感じました。

甲信地域に限らず、広域避難をめぐる問題では、多様化する個々の状況に対応できるだけの支援や情報が行き届いていないことも多く、また避難元の状況による立場の違いにより、交流会等に参加しにくい状況もあるようです。そのため、なかなか自分の気持ちを吐き出せないままに、避難後ずっとやりきれない気持ちや、胸に何かがつかえたような状態のままでいる方も少なくないのではないでしょうか。そういった状況を少しでも緩和していくことで、一人ひとりの置かれた状況を把握し、様々な角度からの活動や支援を考えていくことがより一層必要になってくると思います。

今回は、はじめてこのような交流会に参加された方もおり、タウンミーティングを通して、避難先地域の団体である「結ぶ会」を紹介することができました。全国各地で、避難元と避難先地域の双方のつながりをつくること、様々な情報を共有し、避難されている方たちがそれぞれの想いで考え、選択をできる環境をつくることも役割だと感じます。そういった場のひとつとしても、タウンミーティングをつづけていきたいと思います。

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とみおか子ども未来ネットワークのFacebookページでは、タウンミーティングの言葉を掲載しています。是非ご覧ください。
とみおか子ども未来ネットワークFacebookページ

一人ひとりと向き合う支援

こんにちは。地域調整員・甲信地域を担当するとみおか子ども未来ネットワークの金子です。先日、長野県上田市内にある社会福祉法人 上田明照会を訪問し、避難者支援の取り組みについてお話をお聞きしてきました。今回はその報告をいたします。

現在、長野県には1,006人(平成27年9月29日現在)が避難されており、うち上田市には107人(平成27年6月30日現在)の方々がいます。上田市には市内にある5つの団体から構成される「上田市東日本大震災避難者支援実行委員会」が発足しており、会合を通して避難された方たちの交流イベントの企画・実施、情報交換等を行っています。その構成団体の1つが上田明照会です。

上田明照会は地域の社会福祉事業に取り組んできた歴史のある法人です。東日本大震災後は「上田ともいき処」を設置し、震災関連の支援活動を始めました。平成26年度からは避難されている方たちを含めた地域の総合的な福祉活動(ふくしのまちづくり、生活不安等の相談支援など)を担うため「地域応援室 上田ともいき処」として新たな取り組みを始めています。

ともいき処は避難当事者が自由に使えるスペースとしても開放されており、定期的な交流サロンも行われています。8月29日に行われた夕食交流会では40名近い方(子どもが約半数)の参加があり、大人も子どもも、にぎやかで楽しい時間を過ごしたそうです。また、相談支援員を配置し個別の相談にも対応しています。行政の立場ではサポートしにくい方や制度等の狭間で苦しんでいる方、生活が苦しい方など、日々の相談に応じ対応できる体制を作っています。

ともいき処では今後更に必要となる個々の課題に一緒に向き合うため、個別の相談対応に力を入れていきたいと考えています。交流サロンや保養施設(下記参照)などを設置するのも、避難者同士のつながりを通して少しでも孤立を防ぎ、サポートしていく体制を築くためです。今後も避難されている方にとって安心して利用できる場所として広く活用されることを目指していくそうです。

利用可能な施設の情報

ともいき処(交流サロン)、中丘ハイツ、大久保ハウスの3か所を保養施設として開放しています。個人、グループ、どなたでも1人1泊250円で利用可能です。

また、ともいき処は避難している方が自分たちの活動やゆっくりと休暇をとる場として自由に利用できます。年間を通して利用できますので、まずはご相談ください。

※ ご相談は「上田ともいき処」直通電話 0268-27-6640 まで。
更に詳しい、ともいき処の活動はホームページをご覧ください。

避難者をむすぶ結ぶ会の活動

こんにちは。とみおか子ども未来ネットワークの金子です。今回は、山梨県内に避難されている方々の支援を行う「東日本大震災・山梨県内避難者と支援者を結ぶ会」の取り組みについて、ご紹介いたします。

現在、山梨県には684人(平成27年6月30日現在)の方々が避難されています。県内21市町村に分散して避難されていること、また支援についても、抱える課題が多様化・個別化しており、さらには母子避難者や生活困窮者への支援も必要になってきていることから、個々の状況にあわせた対応が求められています。そうした中で、「東日本大震災・山梨県内避難者と支援者を結ぶ会(以下、結ぶ会)」は、官民協働でワンストップ(相談窓口の一本化)での相談対応や必要な制度等の情報提供、様々な形での交流機会の提供等をメインとして活動しています。

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結ぶ会は、平成23年9月に設立されました。当初は、山梨県、甲州市および5つの県内民間団体を発足の構成団体として活動していましたが、現在は山梨県、県内21市町村および16つの県内民間団体によるサポート体制を実現しています。そのことによって、より個々の課題に合わせたサポート体制を整えられるようになっているようです。

交流会については、県内7地域において、地域別・出身地別の交流サロンや、全避難者を対象とした交流会の実施により、避難者同士、また避難先地域の住民との交流促進を図っています。個人の思いや情報を交換する場、基準を共有できる場、そして避難先地域のみなさんと関わる貴重な場となっており、孤立防止や居場所づくりを担っています。

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避難者数の少ない地域、被災元や東京都等の中心地から離れている地域においては、「情報」の面での課題も強く感じられます。その理由として、元々の避難者数が少ないために、例えば同じ町の住民などと情報交換する機会が少ないこと、避難元行政等からの直接の説明会も後回しにされてしまうのではないかという不安が避難者のみなさんの気持ちには常にあります。情報が少ないことで、判断できる指標を見つけることができず、結果として生活に支障がでることも考えられます。避難先地域によって課題は様々ですが、山梨県内においては、これまで上げたような、地域の課題があるからこそ、情報提供や交流会の実施に力をいれて活動する必要があるのです。

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長期化する避難生活において、一つひとつの小さな活動の積み重ね、また様々な団体との連携によってネットワークを広げ、一人ひとりそれぞれの想いに寄り添いながら活動していきたいという気持ちが、結ぶ会を支えているようでした。

結ぶ会の情報はホームページをご確認ください。

自主避難当事者が主体となって取り組んでいます。じしゅひなんママのきもちが奏でる〜ぽろろん

埼玉県内には1,123人の自主避難者がいます。避難されている方全体の5,509人のうち、およそ2割にあたります。(平成27年1〜2月、福玉便り調べ)

2014年度は自主避難の方たちのケアを重点課題の一つとして、自主避難ママ5名と埼玉のママ3名が出会って、毎月会議を重ね、3つのことに取り組みました(※タケダ・赤い羽根広域避難プログラムの助成をいただきました)。

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【会議の様子】

  1. 埼玉労福協主催イベントにご招待いただき、夏のサマーランドへのバス遠足へ出かけ、自主避難ママたちが交流する時間を設けました。また、クリスマスをともに過ごす時間を企画・運営しました。
  2. メーリングリストでの情報提供、避難生活の悩みなどの声を伺いました。
  3. 寄せられた声や活動報告を、自主避難者向けのお便り『お手紙ですよ ぽろろん♪』としてこの3月までに2号発行してきました。
    お手紙ですよ ぽろろん♪ 02号

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【サマーランドでの様子】

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【交流会の様子】

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【ぽろろん♪クリスマスの時間には2組の「交流会に参加するのは初めて」という母子も交え、日頃の悩みをおしゃべりしました。ここに、来られない人を想いながら。こどもたちは、ボランティアの学生と、つみ木遊びやくるみボタンづくりを楽しみました。】

みんな、避難当初は自主避難の遠慮からひっそりと過ごしてきたママたちです。だからこそ、未だ情報が届かず孤立している方たちに向けて「あの頃の自分への手紙」を書くようなつもりで「ことばを選び、伝えていこうね」と、つくってきました。

お昼を持ち寄ってのランチ会議では、ついつい脱線しがちな私たちでしたが、裁縫の得意なママがイベントに使う布の旗をつくり、経理の経験のあるママが会計を担当し、美味しいもの好きなママが埼玉みやげの取材をしてレポートを書き… 「パソコンなど触ったこともなかった」ママがメールのやり取りを難なくこなせるようにもなりました。

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【ランチ会議の様子】

〆切間際まで「どうしたら、読みたい、と思ってもらえるだろうか」―表現の難しさと向き合うことになりました。私たちが「伝えたいこと」と、読んでくださる方が「読みたいこと」をどうつなげていくのか―迷いに迷って、練りに練った末、どうにかカタチになったお便りです。今でも迷うことだらけですが、新しい一歩を踏み出させる原動力は「伝えたい!」というきもちでした。
そんなママからのメッセージです。

「知らない土地で生活する重圧に心が折れそうになっても子供の前では親としての使命感を果たさなければならないという責任に押し潰されそうな日々を送っていました。福玉便りの交流会を見ても、行く気になれず(略)新しい事を始める第1歩は勇気もいるし、時間がかかったりと、人それぞれ違うけど、目の前の扉を開けた瞬間、そこには必ずあなたの居場所がある事を忘れないで」

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【ママたちからのメッセージ】

  • 前号のお手紙発行から新たに10人のママと出会えました。
  • この動きを、県内外のママたちの同じ思いをつなぐツールのひとつにできるよう、来年度以降も続けていきたい。
  • これまで100名の自主避難ママとしか出会えていません。まだ出会えていない方と出会いたいと思い、このお手紙を書きました。

*会議で語られた自主避難ママのお話や『じしゅひなんママのきもちが奏でる〜お手紙ですよ ぽろろん♪ 2号』に掲載されたことばから引用しました。

希望の方へ『じしゅひなんママのきもちが奏でる〜 お手紙ですよ ぽろろん♪』をお送りします。編集部へお問い合わせください。

担当:吉田千亜
メールアドレス:cheerアットマークkxa.biglobe.ne.jp
(アットマークを@に変えてください)

報告:認定NPO法人 ハンズオン埼玉 谷居早智世

都内避難当事者団体によるつながりと取り組み

こんにちは。とみおか子ども未来ネットワークの金子です。今回は、昨年秋に東京都内に避難されている方々がつくるサロンや団体が集まって開催した“秋の大交流会「バスハイク2014秋」”、そして、年末に行われた“お正月準備の会「ふるさとを感じる大交流会~餅つきと浪江焼きそばで、行く年来る年~」”について書いてみたいと思います。

秋の大交流会「バスハイク2014秋」

このバスハイクは、都内で活動する10の当事者団体を中心に77名が参加、観光バス2台とマイクロバス1台を借り切り、昨年の11月8日(土)~9日(日)にかけて1泊2日で行われました。開催にあたっては、当事者団体による実行委員会を設置、事務的なサポートに広域避難者支援連絡会 in 東京が入り、開催までに6回にわたる会議の中で企画や運営の仕方などを考えてきました。

当日、都内5各所を起点にバスに乗り込んだみなさんが目指すのは千葉県の一宮。生憎の雨模様となりましたが、宿泊場所となった一宮シーサイドオーツカに到着すると、ホテルで用意してもらった大鍋を使ってみんなで芋煮を作り、昼食をとりました。昼食後は交流企画として、各団体の紹介とテーブルを囲んで自由に話ができる時間を設けました。夕食時にはホテルより地元の和太鼓の演奏のプレゼントもあり、みなさんが食事と会話を楽しみました。その後も夜遅くまで盛り上がりました。二日目は内房の金谷に移動し、昼食と房総のお土産を購入、アクアラインを経由して海ほたるに立ち寄ってから東京に戻り、解散となりました。

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都内では他地域に比べて当事者による団体が多く、昨年度あたりからそれぞれの団体を超えての交流やイベントが少しずつ増えているように感じます広域避難者支援ミーティングin東京で集まった当事者団体のみなさんと話す中でも、もう少しゆっくりとした時間の中でじっくりと話ができる機会、同じような想いをしている方々の出会いの場を作れないかとの話があった中で行った今回、実行委員会が行う準備の段階から開催にいたるまで、団体間のつながりが深まったと感じました。

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お正月準備の会「ふるさとを感じる大交流会~餅つきと浪江焼きそばで、行く年来る年~」

バスハイクを当事者団体による実行委員会で企画、実施した後、より広く交流を深められる場として12月27日(土)、いたばし総合ボランティアセンターを会場に「お正月準備の会」を開催し、160名の方たちが参加しました。この会については、2013年から引き続いての開催となりましたが、今回はバスハイクの実行委員会のメンバーが引き続き、企画運営に参加したことで、当日は避難当事者のみなさんが浪江焼きそばや雑煮の調理、餅つきに積極的に関わり、時にはボランティアに指導する場面も見られました。

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震災から3年半以上が経ちましたが、この場で震災以降初めて再会したという方も何名かおり、子どもから高齢の方まで、多くの方が集まることで新しい交流の場が出来たと思います。また、故郷での年間行事であった正月準備(餅つき)を避難先である東京で開催することが、もう一度自分の暮らしを見つめる場になり、普段はなかなか交流の場に参加しない方がこんな会なら覗いてみるかなという機会になったのではないかと思います。

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都内の当事者団体はそれぞれ、避難先での集まりだったり、避難元、母子避難や自主的に避難されている方を主にした活動だったりと様々な集まりがありますが、今後もそれぞれの団体がその特徴を生かしつつ、もう一つ広いつながりをもって、何か困ったときは相談しあえる、お互いに求め合える関係を作っていければと思います。

縁joy東北2014 地域資源につなげる支援を – 千葉NPOクラブ

去る12月7日東日本大震災被災者支援・東北復興応援イベント「縁joy東北2014」が開かれました。
(於:千葉市Qiball[きぼーる]、主催:NPO法人ちば市民活動・市民事業サポートクラブ(NPOクラブ)、協力:千葉県内支援団体、後援:福島県、宮城県、岩手県、千葉県ほか)

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震災を忘れず、東北の復興、避難している人たちを応援しようと開かれたイベント。東北の物産の販売、東北と千葉のゆるキャラ大集合、ものづくり体験コーナー、福島県を代表する民謡歌手・原田直之さんをはじめとするステージ企画、千葉県内支援団体の活動紹介、福島民報の報道パネル展示、など盛りだくさんの企画。避難している方向けの賠償・住宅相談ブースにもたくさんの人が訪れていました。

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ステージでは、洗足学園音楽大卒のグループによるライズサクソフォン四重奏の演奏、フォルクローレ、篠笛の演奏、劇団四季出身の横洲かおるさんの歌唱、浪江町出身の原田直之さんの民謡…と、賑やかなだけでなくあたたかいステージの企画が続きます。

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専門家による賠償相談や住宅相談健康相談ブースも設置され、また町ごとの交流スペースには役場から生活支援課職員さんらもかけつけ、来場する避難されている方のお話に耳を傾けていました。

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出展ブースは、岩手、宮城、福島の物産や、千葉県内の交流会に参加されている、一芸をもった方と支援者のコラボ商品や体験、県内3つの大学からの出展ともりだくさんの内容でした。

千葉大学ボランティアサークル代表のHさんは、富岡町から三春に避難した子どもたちのための学校の仮校舎へ運動会や学習支援で交流を続けている様子を展示、来場者に状況を語りかけていました。

南相馬や石巻へ何度も行っているという東邦大学ボランティア部は復興の缶詰などの販売、新しく人間社会学部を創設した千葉商科大学の学生たちはコーヒーとお菓子の提供や消しゴムはんこづくりなど、若い力で会場を盛り上げていました。

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飯舘村から山武市に避難し、牛の飼育を続けているKさんは、「森のじかん」という山武市主催の交流会に参加している仲間とともに、「牛スジカレーパン」「ビーフシチュー」の販売をされていました。飯舘村では「飯館牛」という福島有数のブランド牛を育てていらっしゃいました。震災当時、牛を見捨てて自分だけ逃げることはできないと走りまわり、千葉県内の農場を借りることができることになり、牛も避難させ線量検査も無事クリア、肉牛として出荷できるようになったとのこと。

浪江町出身で印西市に住むTさんの革細工づくり体験のブースには、町田に避難している方が訪れキーホルダーをつくったりしながら、和やかな雰囲気で交流されていました。

福島市から避難しているHさんは、「ポーセラーツの教室を開いていましたが千葉市内に避難してからはまたどこに移るかわからないとなると生徒さんとの関係が中途半端になってしまうので教室を開くのをためらっている」とお話くださいました。

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福島のチームキビタンを筆頭に、大熊のまーちゃん、楢葉のゆず太郎、川内のもりたろうと、岩手のわんこ兄弟そばっち、千葉からはチーバくん、きみぴょん、SUN(サン)ムシくん、むーちゃん、らが大集合。通りがかりの方をイベント会場に誘っていました。

主催のNPOクラブ鍋嶋洋子さんにお話を伺いました。

●2011年の発災以降の取り組みについて教えてください。

ー3.11直後、被災地に入ってボランティア活動をすることはあっても、組織として緊急的支援に入るスキルはありませんでした。それでも、何かできることをやろう、と街頭募金を4月11日に実施しました。7月には浪江町から首都圏への避難者へ聞き取りの依頼を受けました。聞き取った内容は『浪江のこころ通信』にまとめ、浪江町の広報紙とともに全国に避難している浪江町民に配布されました。その夏は多い時で1カ月3件、訪問して避難の状況、今の暮らしのこと、浪江町への思い等を聞き取りました。現在も活動を継続しています。(「浪江こころプロジェクト」)。

ー2012年4月からは福島県の地域づくりふるさと・きずな維持・再生事業を受託、浪江町だけでなく福島を中心とした東北からの避難者のサポート、県内の支援団体同士の交流・情報発信と、連携して多面的に展開できるようになりました。
2013年度は、バス旅行や交流会の開催など、避難者同士の交流を目的にした事業を実施しました。
2014年度はそうした企画に加えて、避難者周辺の人たちに、避難者の状況を理解し、応援しようという思いを持ってもらえるような事業内容を意図しています。この秋からは新たな取り組みとして、浪江町復興支援員からの発案で中学校区程度の小さな規模での避難者同士の交流を促進する『ご近所ですよ』事業を始めました。少人数でもいいので、まずご近所さんどうしで集まってみようというもので、日程もこちらの都合ではなく当事者の方のご都合をきいて、場所も集会所やファミレスなどといった気軽に行ける場所を設定しました。
そんな小さな点がさらに広がるように線、面にしていきたいと思っています。

ー今回の「縁joy東北2014」も、まだつながっていない方たちへ「忘れていない」というメッセージをお届けするためのものでした。昨年までは会議室という閉じられたスペースで当事者たちだけが集う交流会でしたが、エントランスのオープンスペースで開催することで、地域の人たちへも知っていただく機会を提供したいと思いました。3つの大学の学生に参加してもらうことができました。今後、若い人たちへの支援の輪の広がりも期待しています。

●来春で4年を迎えますが今の課題は?

ー実態の把握はいまも難しいですよね。情報紙『縁joy』を避難者登録されている方には避難元の市町村を通じて送付やデータ配信してもらうようにはしています。
福島に戻られるのか、千葉に住み続けるのか。どちらの選択も応援したいと思っています。住み続けるのであれば、ご高齢の方への支援、住宅確保、就労支援が必要だと思います。働ける方でもなかなか福島にいたときのスキルをいかせる仕事に就けていません。借上げのままの狭い居住スペースでは家族とはいえ5年も我慢すればさすがに限界です。

ー私たちだけでは問題は解決できません。地域につなげていくことが必須だと思います。地域にはもともとたくさんの課題があり、東北の方だけ特別にサポートすることが、なかなか難しいといわれてしまうこともありますが。地域のこともわからない、ご近所のつながりもないような中で暮らしている状況なわけですから、そこはまだまだサポートが必要だと思っています。

ーいつまでになるのかはわかりませんが、県内各地で交流会の支援、情報紙『縁joy』の発行など、今後も活動は続けていきます。

お問い合わせは…
特定非営利活動法人 ちば市民活動・市民事業サポートクラブ
043-303-1688
担当:風間・鍋島