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東日本大震災に伴い全国に避難されている方々のための地域情報サイト

ブログ:一般社団法人 市民ネット

九州避難者支援ミーティング開催のご報告

みなさんこんにちは!一般社団法人市民ネットの飯田です。

もうすぐ震災から5年が経ちますが、いまだ九州への避難希望相談や、避難後の生活不安などへの相談、そろそろ地元に帰ろうかな、といった様々な相談があります。そんな中で九州では、各地で広域避難者支援を行う団体がいくつかあり、日頃から寄り添いや相談対応など、幅広くサポートを行っています。

今回は、九州の支援団体の方々や行政職員、避難当事者の方々にお集まりいただき、現在までの支援状況やニーズなどの意見交換と、これからどのような支援ニーズがあるのかなどをワークショップ形式でのディスカッションを実施しました。

当事者の方々のお話やお声はとても重く響くものがあり、震災から5年経とうとしている現在でも、個々の生活事情や置かれている立場、考え方などにより、求められる支援ニーズが異なることが、改めて理解できました。

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現状の支援体制は、どうしても支援からこぼれ落ちてしまう方も多く、支援の仕組みや該当要件など、制度設計段階から柔軟かつ個別対応ができるような視点を取りいれていかなければ、今後ますます支援ニーズに対するサポートが非常に難しくなってくるのではないかと危惧しています。また、支援情報などの伝達にも課題が残っており、現在様々な情報が届いていないもしくは情報を取りに行けない方々が、まだまだ多くいらっしゃる現実もあります。

行政職員の方々も、その部分に対して危機感を持っており、来年度以降はそういった情報網から分断されてしまっている方々へ、どのように情報を届けていくか、という事が私たち支援団体に課せられた課題でもあります。こうしたミーティング内で様々な支援活動の現場の事例や、当事者の方々のお声を受けながら、引き続き地道に活動を行いつつ学び続けていきたいと考えています。

当団体では、九州各地で活動している支援団体へのご紹介もしております。ご相談者の方の最寄りの居住地域や、避難希望先地域で活動する団体へのご紹介など過去の事例もあります。最初の相談窓口がなかなか見つからない、決められないなどありましたら、まずはお気軽にお問合せいただけましたら幸いです。

電話相談の受付は平日10時〜16時の間のみですが、メールでの相談は24時間受け付けております。過去にご相談いただいたケースのほとんどが、最初はメールでの相談が多いです。お仕事など日中お忙しいと思いますので、夜など手が空いた際に是非メールでご相談くださいませ。折り返し、翌日中には当団体よりご回答の返信をさせていただきます。

一般社団法人市民ネット
092-409-3891
info@snet-fukuoka.org

様々な支援情報の取得について

福岡も、いよいよ冬到来のお天気になってきました。一般社団法人市民ネットの飯田です。

私が初めて福岡にやってきたときは、「西日本だし、暖かい気候なのだろうな」という安易な発想だったため、真冬の福岡の寒さに驚いた事を覚えています。九州といえども、福岡は日本海側で玄界灘に面する都市のため、真冬の海風は厳しい寒さをもたらします。福岡に来られて数年経過している方にとっては、福岡の雪も珍しくないでしょうし、数こそ少ないですがスキー場もあります。

さて、年末が近づいてくる中で、やはり住宅や今後の支援の在り方などについて、多方面よりご意見やご相談を頂いております。福岡県の支援情報一覧は、福岡県HPから閲覧ができますのでご参照ください。

福岡県HP

避難先の自治体へご相談に行かれた際に、窓口をたらいまわしにされたご経験はありませんでしょうか?実は、各市町村において、避難者支援の窓口は必ずしも同一ではありません。福祉総務課であったり、市民課であったり、危機管理課であったりします。お住まいの自治体の窓口一覧をご参照ください。

窓口一覧

現在市民ネットでは、様々な支援情報を少しでも多くの方のお手元に届くよう、個別にご対応をさせていただいております。ITが発達した昨今では、ほとんどの情報をパソコンやスマートフォンなどで取得できるような環境が整っていますが、避難されている方々が必ずしもそういった環境に置かれているとは限りません。個別相談形式にはなりますが、今現在の状況に適合する支援があるかどうか、どのような支援が必要になってくるのか、状況によっては支援ではなく一般的な社会資源でカバーできるのか、など個人では判断がしにくい部分もカバーしております。

最近では、支援情報ではなく、一般的な生活上のお悩みやご相談なども増えてきており、避難先に徐々に慣れてきている方も続々いらっしゃいます。逆に、なかなか馴染めずにゆっくり落ち着いて今後の先行きを考えられない方も多くいらっしゃいます。そういった方々に、是非個別にご相談をいただきたいのですが、先ずは物事を一緒に整理しながら、優先順位を付けて並べていき、確実にクリアできる課題から順に解消していく事で、だんだんと心の負担が軽くなる傾向があります。当団体で行う個別相談は、ご相談をいただいて全ての課題や悩みが一気に解消することはありませんが、ひとつずつ丁寧に解消を目指して一緒に向き合っていきます。

悩みや不安は人それぞれで、大小はありませんので、是非お気軽に、そして遠慮なくご相談をいただけましたら幸いです。

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避難から移住・定住への動き

こんにちは!一般社団法人市民ネットの代表理事を務めています、飯田です。

震災が発生した2011年3月末の時点で、福岡では既に400名以上の方々が避難生活をしていました。現在では、行政が把握しているだけでも700名前後、把握しきれていない人や、元々移住マインドをお持ちだった多くの方が震災を機に福岡へ来ています。

私自身、震災とは関連しませんが東京から仕事の転勤をきっかけに、10年前に福岡へ移住してきた一人でもあります。元々、転勤族がそのまま定住するケースが多い地域でもあり、九州では中心的な都市経済圏でもある事から、近頃では「経済特区」や「創業特区」などといった先進的な仕組みが試されています。

震災後、福岡へ移住してくる方が徐々に増えており、特に子育て世代の移住ケースが目立っています。私もそうでしたが、移住に際して大事なポイントは「住居」「仕事」「子育て環境」の三つです。福岡では、住居の供給は割と飽和している状況ですので、高望みしなければそれなりの住居に出会える確率は高いですが、受験シーズン、進学シーズンは九州各県から新入学生や新社会人の移動が多くなり、住居もかなり動きますので良い住居は少なくなる傾向にあります。

また、仕事に関して福岡は失業率が比較的高い地域でもあり、特に働き盛りの世代にとってはマッチングが容易ではない状況で、私もここで苦戦した経験があります。よくIターン就職と言いますが、実際はかなり厳しいものがあり「どうせ地元に帰っちゃうんでしょ」という先入観から、採用に至らないケースが多いと聞きます。

子育て環境ですが、福岡は九州内でも唯一人口が増加している地域で、子育て世代も多いので、住民向けサービスは充実していると感じます。しかし、デメリットとしては「待機児童」の多さが目立ちます。理由は単純で、経済や商業の中心である都市圏に人口が集中している事から、主に都市部の待機児童が突出して多くなっています。

こうした現状から、最近では「福岡移住」をコンセプトとした様々な取り組みが活発に行われています。
福岡移住計画
移住や定住に必要となる要素を全て網羅し、移住者同士が相互に支え合って新しい暮らしをより豊かなものにしていく仕組みを打ち出しています。また、住居だけでなく仕事も創業から立ち上げられる環境もあり、住まいの提案地域も福岡で人気が高い「都市部に近い田舎」といったコンセプトです。

福岡に避難されている方の多くは、既に九州への定住を決断されていますが、やはり仕事や居住地域など色々と悩みは尽きないようです。特に相談件数が多いのは就労についてですが、正社員として就労できている人は、まだまだ少数派です。

また、お子さんの進学に合わせて、地域の学校の学力やスポーツレベルなどのご相談が寄せられます。

こうしたご相談について、当団体ではご相談者一人ひとりの実情に合わせた対応を行っており、ご要望に合わせてご自宅へのスタッフ訪問や来所相談を受け付けています。

最近では、避難者の方からのご依頼で小規模な交流会を個別に開催したり、情報が行き届いていない世帯への積極的な情報提供のアプローチを行っています。大掛かりな支援活動はほとんどありませんが、福岡をはじめ九州各地でも避難者のみなさんおひとりおひとりに寄り添った支援活動を行う団体がいくつかあります。

悩みや不安は人それぞれで、大小はありませんので、是非お気軽にご相談をいただけましたら幸いです。

一般社団法人市民ネット
092-409-3891

宮崎から良い風ふかせ! 『うみがめのたまご』〜3.11ネットワーク〜!!

「時々ウミガメの保護団体と間違えられるんですよ」
と冗談まじりに説明するのは、宮崎で『うみがめのたまご』〜3.11ネットワーク(以下、『うみがめのたまご』)の代表を務めている古田ひろみさん。同会は東北や関東からの避難者と地元の人達とが交流しながら活動を続けている、九州でも注目の団体である。

「私も震災直後、子どものことを考えて避難しました。初めはずっと孤軍奮闘していました。そんなとき他の避難ママと出会うことで不安な気持ちが落ち着きました。だから宮崎の避難ママ達を独りにさせないよう繋がっていこうと思ったんです。そうしている内に団体をつくった方が良いっていう話が沸き起こって、設立しました」

しかしなぜ団体名が『うみがめのたまご』なのだろう。

「宮崎はウミガメの産卵地として有名なんです。だから、避難してきたママ達がここで安心して子育てをできるように、という気持ちを込めてこの名前に決まりました」

古田さんは地元の人に教わったある言葉を大切にしている。それは「風の人」「土の人」という言葉。実は『うみがめのたまご』の交流会名にも時々使用されている。

「『風の人』は風に乗って移動して来た人。『土の人』は風の人を迎え入れてくれる地元の人を表しているんです。せっかく宮崎に来たのだから宮崎に良い風をふかせてね、と言われました」

地元に打ち解けられた理由を宮崎の県民性のおかげと説明する古田さんだが、古田さんご自身の人柄も相まっているのだと感じた。

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【うみがめのたまごの交流会】

現在『うみがめのたまご』は子育て層をはじめ、あらゆる避難、移住者に対象を広げて交流会などのイベント開催を継続。それ以外に戸別訪問支援員の育成と帰還者支援にも力を注いでいる。戸別訪問支援員の育成は、様々な理由から交流会などに参加できない孤立しがちな避難者のもとへ、支援者が出向いて行き寄り添うため。帰還者支援は、ある意味で避難者よりも孤独になりうる帰還した人達の声を汲み取り、帰還先の支援者や地域に繋いでいくためだ。

「帰還したら終わりじゃないんです。帰っても避難前と同じコミュニティはないのだから。避難中に信頼関係を結んだ私達だからこそ見える帰還後の孤立があり、大きな課題だと感じています」

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【訪問型支援員の研修の様子】

最後に古田さんは「支援者同士でもっとお話する機会をつくっていきたいです。お互い知らないことがまだまだあるから」と語った。

インタビューを終えると古田さんは息子さんの話を始め、お母さんモードに戻った。そんな愛が溢れる『うみがめのたまご』は今後宮崎から日本全国にどんな風をふかせるのか、とても楽しみになった。

以下、写真はうみがめのたまごが定期的に開催している芋煮会と波のり交流会の様子。

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首都圏からの自主避難者とママズカフェの重要性

こんにちは、市民ネットの竹下です。福岡県に避難してきている首都圏からの自主避難者について取材してきました。私は市民ネットに入ってまだ一年なので、今回のインタビューはとても意義のあるものでした。

東日本大震災による避難者と聞くと、多くの人は東北からの避難者を連想するでしょう。しかし、ここ福岡県では首都圏からの自主避難者が三千人を超えると言われています。なぜ彼らは被災したわけでもないのに避難をしてくるのか。私の疑問に市民ネットの代表理事をしている飯田真一さんはこう答えた。
「被災という定義そのものから説明しないといけませんね」

飯田さんの考えによると、東日本大震災の被災地は日本全体なのだという。
「津波で被災した地域、放射能で汚染された地域、PTSDになった人、人生が変わった人。東日本大震災は様々な影響を全国に残していきました。日本全体が被災地なのだから、決して首都圏からの避難者がいてもおかしくありません」

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では首都圏からの自主避難者は何に対して不安があるのか。私には、どうしても放射能に対して過剰になりすぎているだけの気がするからだ。
「首都圏というのは情報が集中してしまうところなんです。情報に翻弄されてしまうんですよ。ひとたび翻弄されれば、なかなか冷静になるのは難しいんです。放射能に関する情報が氾濫すれば、一歩家の外に出るだけで植え込みや茂み、畑に溝などあらゆるところが気になってしまいます。首都圏からの自主避難者はそんな不安から逃れるために九州にやって来てるんだと思いますよ」。

市民ネットでは震災直後から避難者交流会であるママズカフェを開催しています。ママズカフェには今でも多くの参加者が集まっている。その大半は首都圏からの自主避難者です。飯田さんによると、ママズカフェは元々無くす予定で始めた物だったそうです。
「ニーズがなくなれば無くす予定でした。今でもこうして開催できているのは複雑な気持ちですが、ありがたくも思います。避難者にとってママズカフェが居場所になっているんです。福岡での生活に不安がある人たちにとって安心して逃げられる場所。避難者が自立するまでママズカフェは続くでしょう」

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飯田さんの言う自立とはなんなのか。
「新しい生活に光を見出せたら、自立できたと思いますよ」

それは震災前の生活に戻ったら、という意味だろうか。
「いいえ、過去に戻ることはできませんから。避難者が未来へ進む後押しを、市民ネットがやっていけたらいいですね」

普段は堅いイメージの市民ネットだったが、今回のインタビューでは小学校の先生のような優しさと親しみやすさを感じた。

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大牟田で「Ochaccoしていかんね?」

こんにちは。一般社団法人市民ネットの竹下といいます。市民ネットではおもに福岡県内に避難されている方の受入れ対応や暮らしのサポートに関わっています。県内の避難者支援の取組を紹介します。

福岡県大牟田市、熊本県との県境に位置するこの小さな町で「Ochacco in おおむた」と呼ばれる交流会が開かれている。主催は東日本大震災復興支援〜絆〜プロジェクトおおむた。代表の彌永(いやなが)さんは震災直後から東北と密接に関わってきた。

この「おちゃっこ」という言葉、実は東北で「お茶していきませんか?」と誘うときに使われる言葉なのだそうだ。震災後、彌永さんご自身が東北支援に行った際、地元の人たちに「おちゃっこしよう」と声をかけられた。当時震災支援と言えば支援物資供給が当たり前だった。物ばかりが重要視される中、「心の支援とは何か?」という疑問が彌永さんにはあった。その疑問を解消したのがおちゃっこだった。誰かの家に集まり、地元のお茶とお菓子を食べながら何気ない話をする。その肩肘張らないやりとりを見て、彌永さんは地元の方にとっておちゃっこが心の支えになっているのだと確信した。

九州に戻ってくると、今度は県外避難者の問題が彌永さんを悩ませた。大牟田市に圧倒的に多いのは気仙沼からの避難者。なんと百二十名近くの避難者が大牟田に集まっているという。仰々しい支援ではかえって避難者にストレスを与えてしまう。悩んでいる彌永さんの脳裏に、東北で誘われたおちゃっこが浮かんだ。避難者の多くは避難先の生活に慣れようと故郷の方言を隠して生活しているという。せっかくなら避難者の方々が地元の言葉で自由に話せる空間をつくりたい。そう思った彌永さんは「おちゃっこ」という言葉をそのまま交流会の名前に活かした。交流会の開催は月に一回から二回。特に派手なレクレーションが行われるわけではない。しかし東北の新聞が置いてあり、東北の知人から取り寄せたお茶菓子や雑貨が置いてある。要望があれば彌永さんご自身の経験を活かして石けんづくりやお菓子づくりも行う。参加者は自由にお話をして、子ども達が自由に走り回る。その光景はまさに田舎の家で行われるお茶会そのものだ。

今までは市の施設をレンタルしていたが、今年七月から事務所を開設し、常設の交流スペースも確保された。大牟田にはまだ福島や宮城からの避難者がいる。今後は彼らとどのように交流をしていくかが課題だ。「私の代わりに避難者が主体となって交流会を開いてくれるのが夢」と彌永さんは語る。

東日本大震災復興支援〜絆〜プロジェクトおおむた

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